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『出口のない海』
泣き度 2006/09/16公開 (公式サイト)
青春度 満足度 【監督】佐々部清 【脚本】山田洋次/冨川元文 【原作】横山秀夫 『出口のない海』(講談社刊) 【出演】 市川海老蔵/伊勢谷友介/上野樹里/塩谷瞬/柏原収史/伊崎充則/黒田勇樹/平山広行/尾高杏奈/永島敏行/田中実/高橋和也/平泉成/嶋尾康史/香川照之/古手川祐子/三浦友和 <ストーリー> 時は1945年4月。青年が、一隻の潜水艦に乗り込んでいく。彼の名は並木浩二(市川海老蔵 )。戦況苦しい日本を前に、自ら志願した極秘任務を果たそうとしているのだ。野球ボールを握る彼の胸に、思い出が去来する。高校時代、甲子園優勝投手として周囲の注目を集め、大学に進学したこと。大事な肩を痛めたこと。しかし夢をあきらめなかった日々。そして日米が開戦。同級生らが志願しはじめ、並木も海軍への志願を決める。彼の任務は人間魚雷“回天”としての、敵艦への激突だった。(goo映画より) ≪予告編≫ ♪まずポチっと1クリック♪ <観賞前コメント> 最近『男たちの大和/YAMATO』を観たので、個人的に気持ちが高まっています。この映画は人間魚雷の任務を選択する青年の話。その任務までの日々のドラマを丁寧に描いていて欲しいなぁ。 <感想> 最近観た第2次世界大戦の日本を扱った映画としては3本目の作品です。『男たちの大和/YAMATO』は戦艦大和の悲惨な戦いをテーマとした作品、『紙屋悦子の青春』は戦争中の暮らしを描いた作品、そして今回は「回天」という人間魚雷をテーマとした作品でした。今は朝ドラの『純情きらり』もよく観ているのでこの時代の雰囲気にはすんなり入れるようになっています。ですのでこの作品も楽しみにしてました。 正直、「回天」という兵器の名前は初耳だったし、人間魚雷が存在したことも知りませんでした。というかそんなものを実際に兵器として使用するという発想がまず僕にはありませんでした。でも考えてみると神風特攻隊があるのだから人間魚雷があっても不思議ではないですよね。。当時の日本はなんて愚かなことをやっていたんだ、というのがこの映画を観た最初の感想でした。 映画のレビューサイトなので敢えて映画としての評価はつけさせてもらいましたが、本来こういう作品って面白いとか泣けたとかそういう評価はするべきじゃないのかなと思います。『ユナイテッド93』もそうでしたが、僕としてはこういう事実があったことを伝えてくれただけで、観て良かったと思いました。住んでいる場所から車で1時間程の山口県光市に回天の資料館があることすら知りませんでした。近々、広島に行く機会があるのでその時見てみようと思います。 では内容に移りますが、僕は映画としてはそんなに面白いとは思いませんでした。淡々とし過ぎていて全体として薄い印象でした。戦闘のシーンが描かれてないので、もしかしたら意図的に虚しさを表現したのかもしれませんが、僕としては物足りなくて感情移入ができませんでした。↑の観賞前のコメントで危惧した通り、やはり回天に乗るまでの描写が少なかったんですよね。。だからなぜ並木が回天に志願したのかも伝わってこなかったし、回天に乗ることで伝えたかった想いもイマイチ響いてきませんでした。 むしろ登場は少なかったですが、一緒に潜水艦に乗っていた柏原収史や塩谷瞬の方が伝わってくるものはありました。柏原くんがずっと鏡を見ている意味にもグッとくるものがありましたし、出撃するときのあの表情は忘れる事ができません。塩谷くんは一番人間らしいというか現代に近い考え方をしているように感じました。そして伊勢谷くんや伊崎くんは当時の典型的な若者の姿だったのでしょう。死に損なって悔しがる姿や、「代わりに行かせてくれ」「軍神にさせてくれ」と土下座している姿は見ていて切なかったです。生き延びるってことは絶対に許されなかった時代なんですよね。。 この映画を観ていると当時の日本の愚かしさアホらしさだけが伝わってきて怒りがこみ上げてきます。どういう考え方をすればこういう発想が浮かぶのか、全く理解ができません。「よし、人を乗せたまま突撃させよう!」なんてキチガイの発想ですよ。上層部は兵士も自分と同じ人間だと考えた事もないんじゃないのでしょうか。でも国のためという大義名分を与えて情報を操作すれば、こういう世論ができちゃうんですから怖いですよね。。絶対にほとんどの人が本心では死にたくない、生き残りたいと思ったと思うんですよ。でもそれを許さない世の中だったから多くの若者が死なざるを得なかったのかなと思いました。 ラストは意外であっけに取られてしまいましたが、よくよく考えるとベストだったのかなという気もします。華々しく散るのはメッセージと異なるだろうし、生き残っても消化不良になりそうだし。全員が敵の戦艦と引き換えに死ねたわけじゃない、犬死もたくさんあったという事実が伝えられて良かったと思います。 市川海老蔵さんは予想していたよりも普通に見れました。演技は大河ドラマの「武蔵」しか見たことがなのですが、終始力が入りすぎていて見ていられなかったんです。「バガボンド」が好きで原作も読んで楽しみにしていたのにすごくガッカリしました。それ以来市川海老蔵さんの演技は見ようとも思いませんでしたが、今回は力が抜けていてそんなに気にならなかったです。必死に抑えていたんでしょうねw 他で気になったのは尾高杏奈ちゃん。恐らく初見だと思うのですが、暗い映画の中で唯一の明るい役どころとしていいアクセントになっていました。上野樹里ちゃんは出番は少なかったですけど、予想していたので問題はなかったです。できれば並木が死んだ後の彼女達の姿を描いて欲しかったですけど。 やっぱりこの映画は「回天」というものを多くの人に伝えたという意味で価値のある作品だと思います。映画として楽しめる人もたくさんいると思いますが、エンターテインメントとしてではなく日本の歴史を知るために多くの人に観て欲しい作品です。 ♪ポチっとお願いします♪
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私も"人間魚雷”は知っていましたが、”回天”という兵器をはじめて知りました。
まだまだ知らないことがたくさんあるようです。
日本人の愚かさや、戦争に関わる人々全ての狂気などなど。
知る、ということだけでも観てよかった作品ですね。内容は・・・私もちょっと、という感じでしたが。
”回天” の存在はこの映画ではじめて知りました。あの時代の若者たちの過酷な状況が伝わってくる作品でしたね。
ただ、並木にはあまり共感できず物足りなさを感じてしまったのですけど。
ところで当ブログにリンクさせていただきたいのですけどいいでしょうか? 時々TBしていただいてお世話になってますし(^^♪
原作が良かっただけに、映画は残念に思うところが、沢山ありました。
ラストシーンとか・・・。
並木の人の良さも、映画では描ききれていなかったような・・・。
柏原さんや塩谷さんは、良かったですね。
映画作品として、ストーリーの展開はイマイチでしたが、『回天』を知ることができたのは、とても良かったと思います。
これをきっかけに、もう少し完成度の高い映画が作られるといいなぁ・・・なんて思ったりもしています。
それから、大変勝手ではありますがこちらのブログにリンクさせて頂きました。
(もし不都合があればおっしゃって下さい。よろしくお願い致します)
僕も実際に人間魚雷があったなんて知らなかったから
衝撃でした。
歴史を伝えるという意味で価値のある映画でしたね☆
こんばんは♪
コメントありがとうございます!
ちょっと映画としては物足りなさはありますよね。
虚しさは伝わってきましたけど。。
リンクの件ありがとうございます!
僕も相互リンクに登録させて頂きました☆
これからもよろしくお願いします!
こんばんは♪
原作は良かったんですね!
是非読んでみたいですw
映画はもう少しでしたね。。
脇役の方が輝いているように見えました。
こちらこそコメントありがとうございます♪
知るという意味では良かったんですけど、
映画としてはなんとも言えない感じですね(苦笑)
リンクの件ありがとうございます!
不都合なんてとんでもない!感謝感謝です♪
僕の方もサイドバーにリンクさせて頂きました。
これからもよろしくお願いします☆
やはり回天の存在はあまり知られていないようですね。私も名前しか知らなかったので、内部があんな複雑な構造になっているなんて知りませんでした。
しかし、神風特攻隊といい、なんでこれからの日本を担うはずの若者が・・・と、この手の映画や映像を観るたびに思います。
人間魚雷なんてやる事自体おかしいですが、やるなら、上層部(年配者)から行けよ、と観ている時も思いましたね。
僕も塩谷さんの演技が一番グッときました。あんな風な緊張感を海老蔵さんにももっと表現してほしかったようにも思います。
この映画にも後半大和が出ていたので、『男たちの大和』を前か後に観るとなんかこの映画が大和の派生作品のように感じてしまいます。
思えば大和も海上特攻だったし、来年辺りにでもまた特攻を扱った映画でも上映して、そして本作も合わせて『戦争3部作』みたいな形になるのかなと思っちゃったりしちゃいます・・・(汗
「回天」という兵器を知らしめただけでもこの映画の功績はあったと思います。
映画としての評価よりも、そちらが大切だな〜と思ってしまいます。
地元では「紙屋悦子〜」の公開が年末頃ありそうなので、そちらも楽しみにしています。
こんにちは。
結構前に観ていたんですがUPが遅くなりました(汗)。。
あんなものがあるとは思いませんでした。
そうなんで若者なんですかね〜。
僕も死ぬなら年寄りから・・なんて頭をよぎりました。。
こちらこそありがとうございます!
塩谷くんは現代人に近い視点でみてる感じだったから
共感しやすかったですよね。
海老蔵さんは演技を抑えようとしすぎて
逆に生気がないように見えました。。
もっと感情移入できたら良かったんですけどね。
僕は大和は最近観たのでリンクして観てました。
戦争3部作いいですね。
今はどっぷり戦争映画漬けでもいいかもw
TBありがとうございます。
非常に丁寧に記事を書いておられるので、感心しました。それと、自分の言葉で表現されている。
たいへんに、好感度が高いです。
TBありがとうございました!
回天のことは、この映画ではじめて知りました。
未来ある若者たちが、お愚かな戦争で命を落としてしまうこと、ほんとに悔しいです。
たくさんの人に、知ってほしい、観てほしい作品でしたね。
「男たちの大和」、TBさせていただきました。
二度と戦争は起こしてはならない!
強いメーセージが込められていました!
長渕剛の歌がよかったです。
楽しいだけじゃなくて、こういう映画も大事ですよね。
この題材を取り上げてくれただけで感謝です。
紙屋悦子良かったですよ〜。
こんばんは♪
コメントありがとうございます!
そしてお褒め頂いてありがとうございます♪
そう言って頂けると一生懸命書いた甲斐がありました☆
みなさんにそう思って頂けるように頑張ります!
また遊びに来てくださいね。
こんばんは。
コメントありがとうございます!
>たくさんの人に、知ってほしい、観てほしい作品でしたね。
同感です。多くの方に知ってもらうというのが並木の
願いでもあるので、たくさんの方に見て欲しいですね。
個人的にはYAMATOの方が好きでした。
近々、再上映があるのでまた観て来ます☆
自虐史観から抜け出さないと、特攻隊員が命がけで守ってくださったこの国を愛せないですよ。
神風特攻隊を生み出しといわれる指揮官は、戦後に切腹自殺しましたが、介錯を断り苦しみながら死んでいったそうです。
トラックバックありがとうございます。
>本来こういう作品って面白いとか泣けたとかそういう評価はするべきじゃないのかなと思います。
そうなんですよね。考える機会を与えてくれる事が大事、そんな感想の作品でした。
こんにちは♪
>日本がなぜ戦争をしなければいけなかったかもちゃんと知っておくべきかと思います。
ほんとそうですね。男たちの大和を観たときもそうでしたが
もっと歴史を勉強しないといけないと思いました。
こんにちは。
コメントありがとうございます!
こういう映画も大切ですよね。
この前森山未来クンもやってましたね。
「僕たちの戦争」・・でしたっけ?
戦争末期、敗戦色の濃くなるなか
それでも自分が命を懸けて
「特攻したい」というような心境に
追い込まれることがそもそも異常で・・・。
ダンナの叔父さんが
一人は回天で、一人は知覧から空へ、
そんな話も聞いているため
特攻の話となると意外に戦争が身近なものに
なってしまいます。
そういうひとたちのうえにある平和を
守るのが今をいきるわたしたちが
すべきことなんですよね・・・。
と、今回はマジコメントで。(笑)
そうそう、ドラマやってましたね。
録画してたんですけど結局見ずに消しちゃいました。。
この時代の考え方は怖いですよね。
全体主義という言葉も恐怖を感じます。
世の中がこういう論調だったらきっと僕も行ってるような
気がしますし、現代に生まれてよかったです。
でも日本人って何かのきっかけですぐにまとまって
マイノリティの発言しにくい空気を作り出すので
やっぱり怖いさも感じます。
映画にしても大多数が賞賛する映画を批判したりすると
すぐ集中攻撃されるので絶対できないですよね。。
最近の政治も戦争をしやすくする方向に進んでる
感じがして不安を感じてます。。
おっしゃるとおり、回天に焦点を当てた映画は
初だと思うので、見て良かったと思いました。
ところで、相互リンクをお願いできないでしょうか?
先にリンクを貼らさせていただきます。
こちらこそいつもTB&コメントありがとうございます!
回天というものの存在すら知らなかったので
それを知れただけでもよかったと思いました。
こういう映画も大切ですよね。
相互リンクありがとうございます!
すっごく嬉しいです。
早速僕の方もリンクさせてもらいますね。
これからもよろしくお願いします☆
"gooブログ"などここからTBできないブログは別ブログからお返しします!!