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『暗いところで待ち合わせ』
緊迫感 2006/11/25公開 (公式サイト)
静寂さ 泣き度 満足度 【監督】天願大介 【脚本】天願大介 【原作】乙一 『暗いところで待ち合わせ』(幻冬舎刊) 【出演】 田中麗奈/チェン・ボーリン/井川遥/宮地真緒/佐野史郎/波岡一喜/岸部一徳/佐藤浩市 <ストーリー> 交通事故が原因で視力を失ったミチルは、父親と二人暮し。しかしその父が死に、ミチルは親類の反対をよそに一人暮しを始める。彼女の家の下は駅のホームだ。ある日、一人の男がそのホームから転落し、入って来た列車にはねられて死亡する事件が起きた。その直後、一人の青年がミチルの家に忍び込む。やがて青年は彼女に気づかれないように息をひそめて居間で暮らし始めた。彼は死んだ男の同僚で、駅から逃走して殺人の容疑をかけられているアキヒロだった。(goo映画より) ≪予告編≫ ♪まずポチっと1クリック♪ <感想> 観たいと思いつつなかなか行けずやっと観てきました。乙一の同名小説が原作です。僕は知らなかったのですが、有名な作家なんですよね。確かこの作品の舞台挨拶をやっている時期に井川遥さんの結婚報道がされていて、ついでに原作者の乙一さんの結婚もニュースになっていましたね。 主演は田中麗奈さんです。彼女は同郷なので親近感があり、しかも映画に多く出演する映画女優のイメージが強くて好感度も高いです。TVのインタビューを見ていてもすごく物腰が柔らかで自然体な雰囲気がいいですね。・・なんて言いながら実は彼女の作品を観たことはなかったんです(汗)。「きょうのできごと a day on the planet」はCSでやっていたのを録画したままだし、「東京マリーゴールド」や「ドラッグストア・ガール」は何度もTSUTAYAで手に取りながら借りていませんでした。ということで今回は彼女の演技を楽しみにしていました。 ストーリーは盲目の女性ミチルと殺人の容疑がかかって逃走している中国人ハーフのアキヒロの奇妙な共同生活が中心となって進んで行きます。このストーリーは淡々としているのですがなかなか面白かったです。基本的にはゆっくりと静かに日常生活を描いているのですが、時折サスペンスも加わりドキドキしながら観ていました。楽しみにしていた田中麗奈さんは抜群の演技でした。本当に目の見えない女性にしか見えなかったです。視線も姿勢もうまかったし、常に指先が触覚のように動ている細かな仕草もすごくリアルに感じました。最近『虹の女神』の蒼井優、『武士の一分』のキムタクと盲目を演じる俳優を見てきましたが一番役になりきっていると思いました。 目が見えなくなってそんなに時間が経っていないという設定も効いてました。生まれつきや幼い頃から見えない人は音や空気に敏感になっているし杖の使い方もうまくて一人で何でもできるらしいですね。福岡のローカル番組である実験を見たことがあります。健常者が目隠しをして街中を一人で歩けるか?を試してみると、急に現れる通行人や車の音が怖くて一歩も動けませんでした。立っているのすら怖くて這って壁際まで移動していました。その実験を見て視覚障害者の方ってすごい世界で生きてるんだと初めて考えさせられました。そういうのを見ていたのでミチルが外に出るのが怖いと言っていたのもオーバーではなくリアルに感じることができました。 声で時刻を知らせてくれる時計の小物も良かったです。ミチルのゆったりとした時間と世間の時間の流れの違いをうまく表現していました。家の中での生活は慣れているとはいえ、やはり危なっかしくてハラハラさせられます。アキヒロがミチルの家に潜んでいる目的はラストまで分からないのですが、温かく見守る姿も良かったです。できればもっと2人の様子を見たかったなぁ。お父さんのいる前半部分が多少長かったような気がしました。 ストーリー的には佐藤浩市さんのいじめがあったり宮地真緒さんとの友情があったり見所はいくつもあります。でも個人的には田中麗奈さんの演技を食い入るように見てあっという間に終わってしまった印象です。やっぱり田中麗奈さんはすごいですね〜。泣く場面なんか当たり前のようにボロボロ涙がこぼれ落ちます。お母さんとのエピソードなんか描き方が少なくて正直よく分からないところなのですが、彼女を見てるだけで僕も釣られて涙が出てきました。彼女みたいな俳優はたとえ脚本が悪くても演技でカバーして満足させられるから、作品も外れが少なそうですね。 もう一人の主役のチェン・ボーリンさんもなかなか良かったです。声を潜めている役なので当然セリフも少なくて大丈夫でした。元々この原作はハーフという設定ではないらしいのですが、彼を使うために変更したのでしょうか?でもその設定のおかげでいじめや冤罪も説得力は増している気はしました。それにしても最近彼は良く出ていますね。もこみち主演の月9「東京タワー」にも出演するとか。すごいですね。 佐藤浩市さんもさすがでした。贅沢な使い方でしたけど憎たらしさが抜群でした。井川遥さんは結構驚かされました。このブログは普通にネタバレしているので隠しませんけど、あの駅に上がってくる場面はホラー映画のようでしたね〜。かなりドキッとしました。後で考えてみると確かに犯人じゃなければ井川さんの存在意義はないのですよね。全く気付きませんでした。そういえばずっと佐藤浩市さんの彼女の顔が見えないのが不思議だったんですよ。ずっとアキヒロを犯人だと思わせておいて、最後に驚かせる演出はうまかったです。原作がいいんでしょうね。 ラストはサスペンスタッチなのですが、2人が同居している奇妙な生活がこの作品の核でした。ミチルが微妙な気配を感じて不信感を募らせていく過程も面白かったです。誰かがいるように感じて調べてみても確信までは持てない。それがある日助けられることで誰かの存在が明らかになる。でもそのことで心が優しい人だということも分かり心を開いて受け入れていく。このシーンは好きでした。ラストのアキヒロのセリフも良かったです。 「本当に必要なのは場所じゃない。 必要なのは自分の存在を許してくれる人間だった。」 ジャンルで見ればサスペンスになるのかなぁ。でもゆったりと優しい気持ちになれる作品でした。原作も読みたくなりますね。特別泣けたりする作品じゃないのですが、心に静かに染み渡る良作だと思います。個人的にはとにかく田中麗奈さんの演技が素晴らしくて大満足でした。映画好きの方ならそれだけでも観る価値はあると思います。 ♪ポチっとお願いします♪ |
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トラバ&コメントありがとうございました。
私も開始15分(お父さんが死んだシーン)で泣いちゃいました。
麗奈ちゃんの涙にもらい泣きしちゃった。
ホントに麗奈ちゃんの演技は迫真って感じで、、、
犯人に首を絞められてるシーンなんて凄まじかったですよね。
麗奈ちゃん、大好きです。
地元では良からぬ噂も立てられたりするけど、それも全部含めてLOVEです(笑)
久留米の誇りや〜。
こんにちは♪
やっぱり演技がうまいとすぐもらい泣きするよね。
麗奈ちゃんだとストーリー関係なく泣ける気がします。
良からぬ噂あるよね〜(苦笑)
イメージと全然違うからどうなんだろう?って思っちゃいます。
まぁそれが本当だったとしても僕も大好きだけど。
福岡(拡大解釈)の誇りや〜(笑)
田中麗奈さん、よかったですね。
どうしようもない作品も、あるんですけどね。
「容疑者室井慎次」とかね(笑)
こちらこそいつもありがとうございます!
田中麗奈さんの見えない演技は絶品でした。
「室井慎次」は観てないんですけどどうしようもないんですね(笑)
私も福岡在住です田中麗奈さんは久留米なんですか?久留米はよく行きます 実は私も東京マリーゴールドを図書館で借りようかと何度も手に取ったのですがパッケージの金髪にひいてしまって今回の暗い所で…が彼女の初見です
静かな表情,何気ない素振りでみせる彼女の淡々とした日常の演技が魅せられました
最後の
(ほんとうに必要なのは場所じゃない
自分の存在を許してくれる人間だった) って 《 必要じゃなくて許してくれる》 という台詞が彼の深い孤独を語っていますね
こんにちは♪
輪さん福岡なんですか!?同郷ですね!
麗奈ちゃん久留米出身ですよ。高校は西短です。
これを見てやっぱりうまいなぁって思いました。
映画女優っていうのも好感が持てますし。
近々「夕凪の街 桜の街」を見てきますw
この麗奈ちゃんも楽しみです♪
お母さんとのくだりはわかりにくかったですね、特になくても良かったのかも・・あ、でもあの慟哭をアキヒロが見ることが重要だったのか。
静かで透明感があって、でもミステリー要素もあって、好きでした!
ほんと演技が自然で、あれを見れただけでも良かったと思いました。
ストーリー的には微妙なところもあったんですけど
全体を流れる空気は素敵でしたよね。
"gooブログ"などここからTBできないブログは別ブログからお返しします!!