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『硫黄島からの手紙』
感動度 2006/12/09公開 (公式サイト)
泣き度 残虐度 満足度 【監督】クリント・イーストウッド 【製作】クリント・イーストウッド / スティーヴン・スピルバーグ / ロバート・ロレンツ 【脚本】アイリス・ヤマシタ 【出演】 渡辺謙/二宮和也/伊原剛志/加瀬亮/中村獅童/裕木奈江 <ストーリー> 太平洋戦争最大の激戦地、硫黄島。米国にとっては日本本土空襲の拠点。日本にとっての本土防衛の拠点。陸上戦力、日本軍約2万人に対して、米軍は支援部隊含め約16万人。「この上陸作戦は5日間で簡単にかたがつく」と考えていた米国の予想をはるかに超える36日間という長きにわたった戦闘。その戦闘を指揮し、「アメリカを最も苦しめ、それ故にアメリカから最も尊敬された男」、硫黄島総指揮官・栗林忠道中将。硫黄島決戦において日本軍の指揮を執った栗林忠道と兵士たちの戦いを描く。(goo映画より) ≪予告編≫ 『父親たちの星条旗』レビュー ♪まずポチっと1クリック♪ <鑑賞前コメント> 久々に試写会に行ってきます♪話題作ですし評判もなかなかいいようですね。予告編を観ただけで泣きそうになりました。先入観なく観れるように『父親たちの星条旗』も我慢して待っていました。試写会の後にレイトショーで観てこようかな。(11/27) <感想> 観てきました♪さすがに話題作だけあってかなり早い時間から行列が出来ていました。多くの方が前作『父親たちの星条旗』を観ていて、今回の作品も楽しみにしているようでした。僕は試写会の後に観てきました。どちらもすごい作品でしたね。僕は『硫黄島』→『星条旗』の順番で観ましたが、どちらかというと逆の方が楽しめるかもしれません。まぁとにかく両方観て、両面から考えてもらいたいと思いました。 『男たちの大和/YAMATO』を観た時も思いましたが、どうしてこういう歴史を学校で教えないでしょうか。僕は硫黄島で起きたことも知らなかったし、硫黄島がどこにあるかさえも知りませんでした(恥)。こういう日本の歴史を映画で、しかも外国映画で知ったことが悲しくなりました。日本が悪いとかアメリカが悪いとかではなくて、ただ事実として戦争を詳しく教えて欲しかったです。 本作は日本人を描いた外国映画なのですが、全く違和感はありませんでした。よくここまで調べて作ったなと驚かされました。今まで外国人が描く日本はやはり偏見というか間違った描かれ方をしているものが多いのですが、今回は日本映画としてみても全く問題がないくらいしっかり描かれています。中学生の時『シン・レッド・ライン』という日本とアメリカの戦争を描いた映画を観たのですが、あれに出てくる日本兵ってメチャクチャだったんですよね。確か話す日本語すら意味不明でドン引きした気がします(苦笑)。それに比べたら天と地ほど違いました。当時の日本っていうのは今の日本人ですら理解できないメンタリティーがあるのに、それを外国映画でしっかり描いています。そういう点でも称賛に値する作品です。 家に帰って「硫黄島の戦い」について簡単に調べてみたのですが、かなり忠実に作られているようでした。栗林中将のキャラクターは現代的に脚色されているのだろうと思っていましたが、本当にあんな感じだったようです。万歳突撃による玉砕を禁じてゲリラ戦で徹底抗戦し、最後は水も弾薬も尽き突撃したというのも事実でした。最期は階級章を外していたため結局遺体が見つからなかったそうですし、娘に手紙を書いていたのも本当らしいです。 (詳しくは→「硫黄島の戦い」「栗林忠道」「西 竹一」ウィキペディアより) どちらがヒーローでも悪者でもなくフラットな視点でただひたすら戦争の残酷さや過酷さを描いているのも良かったです。本作を観た時、アメリカは序盤こそ苦戦していたけど楽勝だったのだろうと思っていましたが、後で『父親たちの星条旗』を観るとかなり大苦戦だったんだなというのが分かりました。やはり両方観た方がより理解できる作品だなと思いました。 主演の渡辺謙さんはさすがに貫禄の演技でした。軍人なんですけどやさしさが滲み出てますね。実際もあんなに魅力的な人だったから、部下も極限の状態で最後まで戦えたのでしょうね。 「我々の子供らが日本で一日でも長く安泰に暮らせるなら 我々がこの島を守る一日には意味があるのです。」 「日本が戦に負けたとしても、 いつか日本が諸君の功を称えて・・」 彼のセリフは涙なしでは聞けませんでしたo(TヘTo) クゥ 物量的に確実に敗北することが分かっていても、本土を守るためにこういう気持ちで戦ってくれたんだと誇らしくもあり、彼らのことを知らなかったことを申し訳なく思いました。 二宮くんも良かったですね。彼は現代人っぽいキャラクターの役でした。観る前は彼に子供がいるようには見えないので不安でしたが、実際そんなに気になりませんでした。それよりも、妻や生まれたばかりの子供のために生きて帰るという執念がもの凄く伝わってきました。戦場で潔く散ることが美徳とされた時代の中で異色の存在でした。でも現代の人が戦争に行ったらあんな感じなのかなと共感しながら観ていました。 加瀬亮くんも好演でした。いつもはどちらかというと目立たない役が多かったのですが今回は存在感のある役でしたね。加瀬くんのエピソードは結構泣きながら観ていました。犬好きなので犬のシーンでボロボロ泣いたし、最期も可哀想でした(ノд-。)クスン 彼の出ている作品の中で一番感情移入して観ていた気がします。うーん、良かったです。 バロン西の伊原剛志さんも印象的でした。調べてみると実際にアメリカの映画俳優が友達で華やかな生活をしていたそうです。それが反感を買って硫黄島に送られたとか。彼は劇中では自決しましたが、本当は目を負傷した後も戦い戦死したそうです。映画的にもそっちの方が盛り上がりそうでしたけどね。あとは獅童さんは何だったのかな?という意味で記憶に残りました(笑)。でも演技はハマってましたよ。上映前に進行のアナウンサーが映画の紹介をするときに、「私生活でも問題児の中村獅童さんが映画でも・・。」と言ったら会場が大爆笑&拍手でしたw 残念だったのは時間の経過が分かりづらい点と、中心となる人物が多くて一人一人の描写が薄くなっているところでした。ただ、この二部作は面白さを追求して作られた作品ではなかったです。あえてどちらかに偏って感情移入しないように作られている感じがしました。本作は日本側の視点で描かれていますがわざと感動できる場面を削っているのではないかとも思いました。日本人の感覚としては『父親たちの星条旗』の方が日本軍の奮闘が伝わってきて誇らしさを感じます。一方、本作ではやられている場面ばかりで目を覆いたくなりました。日米どちらにも存在する人道的な部分と非人道的な部分を淡々と冷静な視点で描くことで、戦争の悲惨さや虚しさを伝えているのだと思います。とにかくこの二部作は秀作なので多くの方に観てもらいたいです。 【関連記事】 『父親たちの星条旗』 ブログランキングに参加中!ここをクリックしてね♪ 【満足度アンケート】 『硫黄島からの手紙』が面白かった方→こちらに投票 『硫黄島からの手紙』がイマイチだった方→こちらに投票 |
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良い作品でしたし、監督の言いたいこともわかるような気がしています。が、私も、「父親たちの星条旗」の方が、より日本人(日本軍)が描かれていたように感じました。(何故でしょう?w)
もっとも、日本人が日本人に感情移入するのは当たり前で、あえて抑え気味だったのかも・・というご意見にも賛同です。
どちらも秀作!両方を合わせてみたい作品ですね。
初日に早速観てきました。
期待した以上に良い映画ですね。
アメリカ人による日本人のための映画?でしょうか。
戦争映画は、いろいろ考えさせてくれますね。
こんにちは。
こっちは散々やられている場面ばかりでしたから
観ていてつらかったですよね。
それに生き残るよりも自決したり、僕たちでも理解しにくい
部分があるのでそう感じたのかな?と思いました。
日本人じゃないからこそ描けたんでしょうね。
ほんとどちらも素晴らしいので1人でも多くの方に
観てもらいたいです。
こんにちは♪
TB&コメントありがとうございました!
ほんと良質な作品でしたね。
なんで日本人がこんな作品を作れないんだと思う一方で
アメリカ人だからこそここまで描けたのかもと思いました。
考えさせられます。
この映画、アメリカで3冠達成だそうです。いよいよアカデミー賞が見えてきたとか。
個人的にはなんでそんなにイーストウッド監督映画が評価されるのか不思議なんですが(爆)。
もちろん、この映画は素晴らしいと思いましたけどね。
ね〜、アメリカでは前哨戦でかなり評価が高くて
かなり話題になってますね!
相乗効果で日本でもまだまだ盛り上がりそうですw
本当にアカデミー賞獲ったらすごいなぁ。
日本語が変な日本人(笑)が出てくると言う『シン・レッド・ライン』は自分は未見ですけど、本作はその日本人を凄く丁寧に描いていると思いますね。
我々日本人に対するクリント・イーストウッドの敬意と尊敬の念も込められたかのような出来映えに頭が下がります。このまま邦画にしてもいいくらい♪(ぇ
こんばんわ。
昔の映画って日本人がメチャクチャでしたよね〜(笑)
この前ラストサムライもちらっと見ましたけど
微妙に変だなと思いました。
そう言った意味でクリント・イーストウッド監督には
感謝です☆
もうこれは邦画ですねw
TBありがとうございました。TBはれるようになったんですね。うれしいです。
この映画で硫黄島の戦いの事をいろいろ知ることが出来ました。
今でも戦争の事を責められるたびに悲しくなってたんですが・・・過去は変えられませんから、言われるがままです。
でもこんなすばらしい映画を撮ってもらって少し救われた気持ちです。
クリント監督には、ホント感謝です!
こんばんは。
コメントありがとうございます!
TBは出来るときとできない時があるんですよ。
そう、過去は変えることができないからこそ
全てを受け入れなければいけないし
受け入れるために事実を知らないといけませんよね。
この作品で歴史の一面が知れてよかったと思いました。
ホント監督には感謝の気持ちで一杯です。
またTBさせてください。
戦争映画というよりヒューマン映画です。
いつもどこでも弱者たちが犠牲になるのですね。
そんな強いメッセージが聞こえました。
ただ二宮クンのため口は、現代流で最初は場違い感がありましたが、後半良くなりましたね。
個人的にはバロン西が一番好きですね。
では良いお年をお迎えください(^^♪
こんばんは。
いつもありがとうございます!
「硫黄島」はヒューマン映画でしたね。
僕も二宮くんは最初は違和感がありました。
現代人が感情移入しやすい為のキャラだと思うのですが
あの時代に有り得ないだろうと思って。
でもだんだん良くなりましたね。
僕もバロン西さん好きでしたw
今年はお世話になりました。
来年もヨロシクお願いしますw
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