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『幸福な食卓』(小説)&映画2回目
感動度 2004/11/20発売
泣き度 温かさ 満足度 <解説> 「大きなものをなくしても、まだあった、大切なもの。」 とっても切なくて、ちょっとおかしくて、あったまる。 いま最注目の作家が放つ、心にふわりと響く長編小説! 父さんが自殺を失敗したときも、母さんが家を出たときも、朝は普通にやってきた。そして、その悲しい出来事のあとも…。泣きたくなるのはなぜだろう?優しすぎるストーリー。 (Amazon.co.jpより) ≪第26回吉川英治文学新人賞受賞作品≫ ♪まずポチっと1クリック♪ <感想> 映画を観た後すぐに原作も読んだのですが、映画の空気感のままでした。というか映画がうまく原作の良さを残していたんでしょうね。文章もすごく読みやすくて一気に読めました。 映画とちょっと違うと感じた点は大浦くんが死んだ場面ですね。設定とかは変わらないのですが、全体におけるウエートの占め方が原作の方が大きかったです。映画ではどちらかというと家族の物語が中心で大浦くんは家族再生のきっかけに過ぎず、時間配分としては立ち直るまでの描写が意外と短かったんですよね。僕もそこら辺はちょっと物足りなさを感じた点ではあったのですが、原作ではもう立ち直れず苦しむ様子がしっかり描かれていました。 中学や高校の時ってやっぱり恋人が全てだと思うんです。いつも彼氏・彼女のことで頭がいっぱいで周りも見えなくなるくらい、存在は大きなものですよね。何よりも1番は恋人だから、家族がどれだけ仲が良くったって到底その心の穴を埋めることはできません。家族もなんとかしてあげたいと思っているけどどうすることもできなくて、ただ時間だけがだんだんとその辛さをやわらげていく。この様子がじっくりと描かれていました。佐和子目線で描くならこっちの方がリアルだと思うので、この部分は原作の方が好きでした。 あとなんとなく分かりますけど、お父さんが薬学部を目指す理由が映画では詳しく述べられてなくてちょっと疑問だったのですが、原作を読んで分かりました。佐和子はお父さんの自殺のトラウマで梅雨の時期になるとかなり体調が悪くなり、食事ができないほどになるんです。いつもぐったりしていて生気がなくなってる。そのことにお父さんはすごく責任を感じていて、薬学部で勉強して佐和子の体を治してあげたいと思ったみたいです。 改めて感じたのは、やはりみんな自分の中でまだお父さんの自殺のことが整理できていないんですよね。変な形で存在している家族なんだけど、そうすることでしかみんな自分を保てなかったんでしょう。それがなんとか崩壊せずに暮らすためのギリギリの姿だったのだと思いました。 上映終了日に慌てて2回目を観ましたが、やはり佐和子と大浦くんの姿が瑞々しくていいですね〜。もう2人が輝いて見えました。早起きして新聞配達を待ってる場面も、ただ学校じゃないところで会うってだけでドキドキしちゃうんですよねw あと合唱の場面もすっごい懐かしくなります。あんな感じでサボって歌わなかったなぁって(笑)。みんなが歌わない様子がリアルでした。 今回気付いたこともありました。お母さんが自分のアパートの風呂には入らないのにお風呂を一生懸命洗ってるところは1回目では気付かなかったですね。お母さんの最初の登場シーンなので違和感を感じるはずもないのですが、こんなところにお母さんの苦しんでいる姿を描いてたんだとビックリしました。 ストーリーももちろん素敵だったのですが、この映画が素晴らしい作品になった最大の要因はやはりミスチルの『くるみ』と結びついたことじゃないかなぁ。ほんとピッタリですもん。もし『くるみ』じゃなかったらきっと「いい映画」ってだけで終わっていたと思うんですよね。最後にじっくりと余韻に浸って映画を振り返ることで、心に残る作品になったような気がします。気が早いですが今年のベスト10の上位に食い込んできそうです。ちなみに『ペパーミントの魔術師』のAgehaさんによると、「未来は来る」という意味で「くるみ」だそうです(*'▽'*)へぇ♪ 『幸福な食卓』1回目の感想はこちら ブログランキングに参加中!ここをクリックしてね♪ 【満足度アンケート】 『幸福な食卓』が面白かった方→こちらに投票 『幸福な食卓』がイマイチだった方→こちらに投票 『くるみ』 Mr.Children 作詞・作曲:KAZUTOSHI SAKURAI ねぇ くるみ この街の景色は君の目にどう映るの? 今の僕はどう見えるの? ねぇ くるみ 誰かの優しさも皮肉に聞こえてしまうんだ そんな時はどうしたらいい? 良かった事だけ思い出して やけに年老いた気持ちになる とはいえ暮らしの中で 今 動き出そうとしている 歯車のひとつにならなくてはなぁ 希望の数だけ失望は増える それでも明日に胸は震える 「どんな事が起こるんだろう?」 想像してみるんだよ ねぇ くるみ 時間が何もかも洗い連れ去ってくれれば 生きる事は実に容易い ねぇ くるみ あれからは一度も涙は流してないよ でも 本気で笑う事も少ない どこかで掛け違えてきて 気が付けば一つ余ったボタン 同じようにして誰かが 持て余したボタンホールに 出会う事で意味が出来たならいい 出会いの数だけ別れは増える それでも希望に胸は震える 十字路に出くわすたび 迷いもするだろうけど 今以上をいつも欲しがるくせに 変わらない愛を求め歌う そうして歯車は回る この必要以上の負担に ギシギシ鈍い音をたてながら 希望の数だけ失望は増える それでも明日に胸は震える 「どんな事が起こるんだろう?」 想像してみよう 出会いの数だけ別れは増える それでも希望に胸は震える 引き返しちゃいけないよね 進もう 君のいない道の上へ
瀬尾まいこ関連書籍 北乃きい関連作品 |
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僕も好きな映画だったんでDVD出たら買っちゃいそうです!
>あと合唱の場面もすっごい懐かしくなります。あんな感じでサボって歌わなかったなぁって(笑)。みんなが歌わない様子がリアルでした。
ああここの場面記事に書き忘れてた・・・
ここのシーンのリアルさは尋常じゃなかったですよね(笑)
あの歌詞の紙をくるくるにしてるやつなんて必ずいますもん!
しかも最後まで歌ってないのもいたと思います。
勉学の死や、佐和子の病気とかにあまりウエートを置きすぎると最近の映画にありがちな単なる「泣ける映画」になると思ったからあえて外したんじゃないですかね?
リンク ありがとうございました!!
「幸福な食卓」2度目の鑑賞ですか!?羨ましいです〜
私は、時間が合わず観にいけませんでした。
原作を読んでから観ると、又違った角度から楽しめますね。
お父さんが何故薬学部を目指していたのか?映画の中では
サラッと流していたので、なるほど、そうだったんですね。
もう1度じっくり映画館で観たかったなぁ〜
でも5月のミスチルのライブで、生「くるみ」が聴けそうです。
その時には、きっと映画のシーンが浮かぶと思います♪
観ましたよ〜!
原作を読んだらもう1度観たくなって。
上映終了日に慌てて行きましたw
終わるの早すぎ(泣)。
あの合唱のシークエンスいいですよね〜。
協力しない感じが懐かしくて(笑)
さすが学校の先生が書いた本だけあってすごくリアルでした。
>単なる「泣ける映画」になると思ったからあえて外した
確かに!
あのあざとくない感じがこの映画の良さですもんね。
納得です!
こんばんは♪
終了するのが早過ぎますよね〜。
もう1度観たいと思っていたのでかなり無理をして
最終日に滑り込みましたw
原作を読んでいくとより細かいところまで観れて良かったです♪
ライブ行くんですね!羨ましい〜!!!
ミスチルのライブ最高でしょうね〜。。
生「くるみ」聴きたい!!
映画バージョンだったらいいなぁ。
幸福な食卓…暖かい気持ちで見ていたのですが…勉学の唐突な死に納得がいかないのと彼の母親の息子の死にたいする感情のあり方がきれい事すぎると思います結局,息子はプレゼントを買うためにバイトして事故死したんでしょう
原作をまだ読んで無いので理解が足りないのかな…私だったら冷静になれない
たくさん映画をご覧になっているんですね〜
僕も酒井家のしあわせが見たいと思ってたんですよ。
今度見てみますw
僕も映画を見たときは勉学の死の辺りで違和感を感じたんですよね。
佐和子もあっさりしすぎな気がして。
その辺は原作ではじっくり描かれていて良かったです。
原作も同じ空気なのでセットで楽しめました☆
原作も良さそうですね。最近、映画観て、原作を読むことが多いんですが、これも読んでみようかな〜。
僕全く気付かなくて後で、「そうだったのか〜!」って
気付かされましたw
この原作は素敵ですよ。
映画の空気のまま楽しめます。
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