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『蛇イチゴ』
不気味 2003/09/06公開 (公式サイト)
笑い度 切なさ 満足度 【監督】西川美和 【プロデューサー】是枝裕和 【脚本】西川美和 【時間】108分 【出演】 宮迫博之/つみきみほ/平泉成/大谷直子/手塚とおる/絵沢萠子/寺島進/蛍原徹/笑福亭松之助 <ストーリー> 明智家は慎ましくも平穏で幸せな暮らしをしていた。一家の長女・倫子は小学校の教師で、同僚との結婚を控えていた。そんな折、痴呆に冒されていた祖父が死亡。そのお葬式の場に勘当されて音信不通になっていた倫子の兄・周二がひょんなことから姿を現し、家に戻ってくる。時を同じくしてこの一家が抱えていた秘密が次々に明るみに出る。口八丁の兄のことが信じられない倫子は兄を再び追い出そうとするが…。(goo映画より) 人気ブログランキング参加中♪ ポチッとして頂けると嬉しいです →日本映画ランキング <感想> 『ゆれる』を観て以来ずっと観たいと思っていましたが、近所のTSUTAYAには置いてなかったんですよね。何度かリクエストしていたら、遂に入荷されてやっと観れました〜。 『ゆれる』の西川美和監督のデビュー作です。DVD観賞ということもあって『ゆれる』ほど衝撃はなかったですが、やはりすごい作品でした。これがデビュー作っていうんだからとんでもないですね。テーマとしては『ゆれる』と近くて「家族」が描かれています。公式サイトの監督のコメントに『なぜ、人は「家」を守るのか。なぜ、人は「家」に還るのか。人は何を「家」に求めて生きるのか。このような私自身の問いかけからこの映画は作られていったのですが、それは同時に、多くの人にとっても永遠のテーマかもしれません。』と書かれています。他人と違って簡単にスパッと切ることができない家族という関係にかなり興味を持っているんですね。そしてこの作品も原案は夢から来ているそうで、一体いつもどんな夢を見てるんだってまた思ってしまいました(笑)。 『ゆれる』→『蛇イチゴ』と観る順番は逆でしたが、相変わらずリアルで生々しくて痛々しい人間の姿を描くのがうまいです。人の醜かったり卑しい部分をえぐり出すように露に映し出しています。全体としては淡々としてるのですが、シニカルな中に時折コミカルな笑いを混じえながら描かれているので、それが余計に不気味さを倍増させていました。雰囲気としては『空中庭園』をよりリアルに無駄なく描いた感じかなぁ。 物語全体は冒頭の教室での倫子と生徒とやり取りに集約されています。金魚の世話をサボった男の子が母親が病気だったと弁明をし、その母親が元気な姿を見た生徒がいると、今度はその時は母親は元気で次の日また病気になったと弁解をする。倫子はこの生徒に対してストレートに嘘をついているとは言わないが、遠まわしに嘘はいけないと諭します。 倫子は疑わしい、「限りなく黒に近いグレー」は「白ではない」というスタンスを常に取っていて、それが兄・周治とのラストに繋がっていきます。僕も基本的に倫子の目線で見ていて、絶対にお兄ちゃんは両親を騙そうとしていると思ったので、ラストの展開は衝撃と同時に信じれなかった自分に嫌悪感を感じました。蛇イチゴが本当にあったってことは嘘をついてなかったってことで、お兄ちゃんは家族を騙そうとしてなかったってことなんですよね?(←未だに信じてない 苦笑) 「限りなく黒に近いグレー」は「白ではない」ではなく、「白かもしれない」と思わせるラストは見事でした。こういう救いのある余韻を残させるラストって『ゆれる』と似てますね。厭らしい部分を描く監督ですけど本当はやさしい人なのかな(笑)。 宮迫さんは怪しい雰囲気をすごくよく出してました。家族を助けようとしてるのか騙そうとしているのか結局分からなかったです。独特の空気があるし役者としても結構好きです。『下妻物語』の宮迫さんも可笑しかったですよね。つみきみほさんは生真面目な役がすごくハマってました。あの声がすごく好きでしたw 両親役の平泉成さんと大谷直子さんもすっごく良かったです。「あんな人いるわぁ」とかなりイライラさせられました(笑)。自分が大変なことになってるのにまるで他人事のように開き直って、必死に心配しているこっちがバカみたいに感じることありますよね。親切でしてるのに悪い事してるように恨み言を言われたり嫌な顔をされて、「なんでここまでしてあげないといけないんだろう?」って思ったり。。かと言ってほっとけないし、すごくやり場のない怒りを感じるんですよね。おじいちゃんが死んだあとの両親の変貌ぶりは狂ってるようで怖かったです。 西川監督の映画って言葉にするのが難しいですね。ストーリーとしてはそんなに大した話でもない気はするんですけど、飽きることなく釘付けにさせられました。微妙で繊細な心の動きを描くのがうまい監督だなぁと改めて感じさせられます。『ゆれる』を観ているのでインパクトは弱く感じますが、それでも唸らされる作品でした。 ☆参考になったり共感できた方 ココをポチッとお願いします より詳しい最新映画・芸能情報、人気ブロガーの感想は 人気ブログランキング or にほんブログ村へ 【関連記事】 ・『ゆれる』
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この作品のレビューを見て、うれしくてTBさせて頂きました。
あの当時は、いい作品なのに、陽が当たらなくて、悔しかったのですが、「ゆれる」のヒットで、たくさんの方に見てもらえるだろうな〜と思ってました。
いや〜、ほんとにすごい映画でした。
先に「ゆれる」で西川監督の凄さを分かっていたので
衝撃という面では弱かったのですが「ゆれる」の前に
観ていたらかなり驚かされただろうなと思いました。
「ゆれる」効果でご覧になった方も多いでしょうね〜
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